ジャン・ジュネの伝記を読んでいる。ジュネは10歳ごろから泥棒を始めたようだ。
「「泥棒」という言葉は、私を深く傷つけたと思う。深くというのはつまり、そうした存在になると恥ずかしい思いをするのだ、あるいは人々にかまわず堂々とそうなりたいと考えるのは恥ずべきことなのだと人々が私に思わせようとする存在に、自分から進んでなってやろうと思うほど、ということだ。」『ジュネ伝』上p46
私はこのジュネの言葉に感動した。というかあこがれを抱いた。犯罪者になりたいということではなくて、その傷つきの「深さ」に。なにかに「自分から進んでなってやろうと思うほど」、私は深く傷つきたい。